ここでは、失敗しないカラン選びのポイントを、機能性とデザイン性の両面から見ていきましょう。まず機能面で考えたいのが、操作方法です。現在主流なのは「シングルレバー混合水栓」で、一つのレバーで水量と温度を片手で直感的に調整できるため、調理中など手が塞がりがちなキッチンでは特に便利です。より精密な温度調整を求めるなら、お風呂場でおなじみの「サーモスタット混合水栓」も選択肢に入りますが、キッチンや洗面所では一般的ではありません。昔ながらの「ツーハンドル混合水栓」は、デザイン的な魅力もありますが、操作性はシングルレバーに劣ります。次に注目したいのが、吐水口の機能です。キッチン用カランでは、シャワーとストレート(整流)を切り替えられるタイプが人気です。シャワーはシンクの掃除や大きな野菜を洗う際に便利です。また、吐水口が引き出せる「ホース引き出し式(ハンドシャワー)」なら、シンクの隅々まで水が届き、大きな鍋を洗う際にも重宝します。最近では、センサーに手をかざすだけで水を出したり止めたりできる「タッチレス水栓(センサー水栓)」も人気が高まっています。手が汚れていてもカラン本体に触れずに操作できるため衛生的で、節水効果も期待できます。浄水器が内蔵された「浄水器一体型水栓」も、別途浄水器を設置するスペースが不要なため、キッチンをすっきり見せたい方におすすめです。デザイン面では、まず全体の形状と素材感を選びます。シンプルでモダンな直線的なデザイン、優雅な曲線を描くクラシックなデザインなど、キッチンのインテリアスタイルに合わせて選びましょう。素材は、光沢のあるクロムメッキが一般的ですが、高級感のあるステンレス、温かみのあるブロンズ、マットな質感のブラックなど、カラーバリエーションも豊富になっています。カランのデザイン一つで、空間の印象は大きく変わります。ただし、デザイン性を重視するあまり、使い勝手を犠牲にしないように注意が必要です。例えば、吐水口の高さや長さがシンクのサイズに合っていないと、水はねしやすかったり、大きな洗い物がしにくかったりします。機能性とデザイン性のバランスを考え、ご自身のライフスタイルやキッチンの使い方に合った最適なカランを選ぶことが、後悔しないための重要なポイントです。
失敗しないカラン選び機能とデザインで快適空間へ