水道の元栓を閉めたはずなのに、蛇口から水が出続ける。この異常事態に遭遇したら、慌てずに適切な手順で対処することが重要です。間違った対応は状況を悪化させる可能性もあるため、冷静に行動しましょう。まず最初に行うべきことは、「本当に元栓が完全に閉まっているか」の再確認です。ハンドル式やレバー式の元栓(止水栓)は、時計回りに回らなくなるまでしっかりと閉め込みます。長年動かしていなかった元栓は固くなっていることがあるため、ある程度の力が必要な場合もありますが、無理な力を加えすぎると破損の原因になるため注意が必要です。もし、軽く閉めただけだった場合は、再度しっかりと閉め直してみてください。次に、「閉めた元栓が自分の家のものか」を確認します。特に集合住宅や隣家と近い場合は、メーターボックスや止水栓の位置を間違えている可能性があります。水道メーターに表示されている番号や、表札などを頼りに、確実に自宅の元栓であることを確認しましょう。それでも水が止まらない場合は、「元栓自体の故障」が強く疑われます。内部のバルブが固着したり、部品が破損したりして、完全に水を止められない状態になっていると考えられます。この段階になると、残念ながら自分でできることは限られています。無理に元栓を分解しようとしたり、過度な力を加えて回そうとしたりするのは絶対に避けてください。部品を破損させ、かえって水漏れを悪化させる危険性が非常に高いです。元栓の故障が疑われる場合は、速やかに専門の水道業者に連絡するのが最善の策です。地域の水道局指定工事店や、信頼できる水道修理業者に連絡し、状況を正確に伝えましょう。「元栓を閉めても水が止まらない」ということを明確に伝えることで、業者側も適切な準備をして駆けつけてくれます。業者が到着するまでの間、もし家の中で水漏れが発生している場合は、可能な範囲で水を受け止めたり、拭き取ったりする応急処置を行ってください。重要なのは、自分で解決しようと無理をせず、異常を感じたら早めに専門家の助けを求めることです。