築20年を超えた我が家のキッチン。シンクのカランも、さすがに年季が入ってきた。メッキはくすみ、ハンドルの根元からは時折、水がポタッと垂れる。使うたびに少しずつストレスが溜まっていた。「よし、交換しよう!」と思い立ったはいいものの、業者さんに頼むと結構な費用がかかるらしい。インターネットで調べてみると、DIYで交換している人も多い。「もしかしたら自分でもできるかも?」そんな淡い期待を抱き、挑戦してみることにした。まずは情報収集。YouTubeで交換動画をいくつも見て、手順を頭に叩き込む。止水栓を閉める、古いカランを外す、新しいのを取り付ける…ふむふむ、なんだか簡単そうじゃないか。意気揚々とホームセンターへ向かい、ピカピカのシングルレバー混合水栓を購入。デザインも機能も格段にアップするはずだ、と胸が高鳴る。さて、いよいよ作業開始。シンク下の止水栓を探す。…あったあった。これを時計回りに…固い!渾身の力を込めてようやく閉めることができた。第一関門突破。次に、古いカランの取り外し。シンク下にもぐり込み、カランを固定している大きなナットを探す。狭くて暗い、そして体勢がきつい。モンキーレンチでナットを回そうとするが、これもビクともしない。長年の水垢とサビで完全に固着しているようだ。潤滑剤を吹き付けてしばらく待ってもダメ。汗だくになりながら格闘すること30分、ようやく少しずつ緩んできた。ナットが外れた瞬間は、思わず声が出た。給水管との接続もなんとか外し、古いカランがシンクから引き抜かれた。やった!ここからが本番、新しいカランの取り付けだ。説明書を読みながら、パッキンやワッシャーの順番を間違えないように慎重に組み立てる。シンク下での固定作業は相変わらず大変だったが、新しい部品はスムーズに取り付けられた。給水管を接続し、いよいよ止水栓を開ける時。ドキドキしながら少しずつ開ける。接続部分から水が漏れてこないか、指で触って、ティッシュを当てて、入念にチェック。…大丈夫そうだ!最後にカランのレバーを操作してみる。おおっ、スムーズに水が出る!お湯もちゃんと出る!水漏れもない!ピカピカのカランがキッチンで輝いているのを見て、疲れも吹き飛んだ。正直、想像していたよりもずっと大変だったけれど、自分でやり遂げた達成感は格別だ。これからは、もっと大切にキッチンを使おう、そんな気持ちになった。