洗濯機の取り外し作業が無事に終わっても、まだ安心はできません。取り外した洗濯機を安全に運び出し、新しい場所で問題なく使用するためには、「水抜き」と「運搬」の工程も非常に重要になります。特に水抜きが不十分だと、運搬中に水が漏れ出し、他の荷物を濡らしたり、家の中や共用部分を汚してしまったりする可能性があるため、丁寧に行う必要があります。洗濯機の水抜きは、大きく分けて「給水ホースの水抜き」と「本体内部(排水ホース含む)の水抜き」の二段階で行います。給水ホースの水抜きは、取り外し作業中に行います。蛇口を閉めた後、ホースを外す前に一度洗濯機の電源を入れて標準コースを短時間(1分程度)運転させると、ホース内に残っている水を洗濯槽内に送り込むことができます。その後ホースを外せば、こぼれる水の量を最小限に抑えられます。ホースを外した後も、念のためホースの口を下に向けてバケツなどで水を受けましょう。次に、本体内部と排水ホースの水抜きです。全自動洗濯機の場合、電源を入れた状態で脱水コースのみを選択し、最も短い時間(通常1〜3分程度)運転させます。これにより、洗濯槽の底や排水経路、排水ホース内に残っている水を可能な限り排出することができます。脱水運転が終わったら、電源プラグを抜きます。さらに念を入れるなら、洗濯機本体を少し傾けて、排水ホースの口を低い位置に持っていき、残っている水をバケツなどに排出します。特にドラム式洗濯機の場合は、機種によって底面に「糸くずフィルター」があり、ここからも排水できる場合が多いので、取扱説明書を確認して排水作業を行いましょう。水抜きが完了したら、いよいよ運搬です。洗濯機は重量があり、サイズも大きいため、一人での運搬は非常に危険です。必ず二人以上で、無理のない姿勢で持ち上げるようにしてください。運搬前には、洗濯槽が動かないように輸送用の固定ネジ(機種によって付属)を取り付けるか、洗濯槽内にタオルや毛布などを詰めて振動を抑える工夫をすると良いでしょう。また、運搬経路(廊下、階段、エレベーターなど)の幅や高さを事前に確認し、壁や床を傷つけないように養生することも大切です。毛布や古いシーツなどで洗濯機本体を包むと、衝撃吸収と傷防止になります。これらの水抜きと運搬のノウハウをしっかりと実践することで、洗濯機を安全かつ確実に移動させることができます。

投稿者 jsSNq6U5lG4G