トイレの水がチョロチョロと流れ続けている状態。つい「たいした量じゃない」と放置してしまいがちですが、その経済的な損失は決して侮れません。わずかな水漏れでも、積もり積もれば驚くほどの水道代になってしまう可能性があるのです。具体的にどれくらいの損失になるのか考えてみましょう。仮に、1分間に100ミリリットル(コップ半分程度)の水が流れっぱなしになっているとします。これは非常に微量に感じるかもしれませんが、1時間では6リットル(100ml × 60分)、1日では144リットル(6L × 24時間)にもなります。一般的な浴槽1杯分が約200リットルと考えると、1日半弱で浴槽が満杯になる量の水が無駄に流れている計算です。これを1ヶ月(30日)続けると、約4320リットル、つまり4.3立方メートル以上の水が無駄になることになります。水道料金は地域によって異なりますが、東京都水道局の料金(2024年現在、呼び径20mm、1ヶ月あたり11~20m³使用の場合)で試算してみると、1立方メートルあたり約130円(下水道料金含まず)程度です。つまり、このケースでは1ヶ月あたり約560円(130円 × 4.32m³)以上の水道代が余計にかかっている計算になります。もし、流れ出る水の量がもっと多かったり、複数のトイレで同様の問題が発生していたりすれば、損失額はさらに大きくなります。例えば、糸を引くように水が流れ続けているような場合は、1ヶ月で数千円、場合によっては1万円以上の無駄な水道代が発生することも珍しくありません。さらに、これはあくまで水道代だけの話です。前述したように、水が流れっぱなしの状態を放置すると、タンク内の他の部品の劣化を早めたり、最悪の場合はタンクから水が溢れて床材や階下へ被害を及ぼしたりするリスクもあります。そうなれば、修理費用や補修費用など、さらに大きな経済的損失につながりかねません。「たかがトイレの水漏れ」と安易に考えるのは非常に危険です。トイレの水が止まらないことに気づいたら、できるだけ早く原因を特定し、修理を行うことが、無駄な出費を抑え、家計を守るための賢明な判断と言えるでしょう。わずかな水音にも耳を傾け、異常を感じたらすぐに行動することが大切です。

投稿者 jsSNq6U5lG4G