それはある冬の寒い夜のことでした。いつものようにお風呂の準備をしようとお湯を出し始めた瞬間、給湯器が設置されているベランダの方から「ドンドン、ドン!」という、今まで聞いたことのない大きな音が響いてきたのです。最初は隣の家の物音かと思いましたが、お湯を止めると音も止まり、再びお湯を出すとまた鳴り始めました。明らかに我が家の給湯器からの異音でした。その音はまるで誰かが力強く壁を叩いているようで、正直なところ、少し恐怖を感じました。その日はもう夜も遅かったため、給湯器の使用を控え、翌朝一番でいつもお世話になっているガス会社に連絡を入れました。電話で状況を説明すると、すぐに点検に来てくれることになり、少し安堵したのを覚えています。到着した作業員の方に音の状況を再現して見せると、これはウォーターハンマー現象か、あるいは内部部品の異常かもしれないとのことでした。早速、給湯器のカバーを開けて内部を点検してもらったところ、幸いガス漏れや燃焼系の異常は見られませんでした。しかし、いくつかの部品に経年劣化が見られるとのことで、特に今回は給湯器内部の水の流れを制御する部品の動きが悪くなっている可能性が指摘されました。結局、その日は部品交換の提案と見積もりをいただき、後日改めて修理作業をしてもらうことになりました。作業員の方からは、ウォーターハンマー現象であれば水撃防止器の設置も有効であることや、給湯器の寿命も考慮して交換も視野に入れるべき時期かもしれないといったアドバイスもいただきました。異音が発生してから修理が完了するまでの数日間は、お湯を使うたびにドキドキしましたが、無事に音が解消された時には心底ホッとしました。この経験を通じて、普段何気なく使っている給湯器も定期的なメンテナンスが重要であること、そして異常を感じたらすぐに専門家に相談することの大切さを改めて認識しました。
我が家の給湯器ドンドン音との戦い